大家2年目の会

会社

中小企業が不動産投資することの3つのメリット

もともと事業を行なっているあまり規模の大きくない企業にとって、収益不動産を持つことは様々な点でメリットになるシチュエーションがあります。それは収益不動産のもつ収益構造が他の一般的な事業に対して特徴的な構造を持つためとも言えます。その特徴を活かしつつ、他の事業が収益不動産のデメリットをカバーすることができる、言うなれば相乗効果を得られることになります。

そのメリットは具体的に言うと主に以下の3点に集約されます。

1.収益基盤の安定化
2.利益通算・繰越控除(いわゆる節税)
3.賃貸経営を安定化させやすい

今回はそのメリットを改めて整理します。
個人が行う不動産投資を法人化に切り替えるべきか否かの判断材料のひとつとしても活用できるのではないかと思います。

では、順を追って解説いたします。

1.収益基盤の安定化
例え現時点で利益が大きく出ている企業であったとしても、あまり大きくない企業ではちょっとした事業環境の変化で収益に大きく影響が出ることはよくあることで、それは大きな懸念材料です。できることなら事業の安定化を図ることを経営者としては望むことでしょう。

そこで活用されるのが不動産への投資です。

そもそも不動産賃貸業は安定した事業であるとも言われます。投資した額に対するリターンは家賃収入ということで毎月安定したものになります。しかも退去のリスクを除いてほぼ近い未来の確定収益になりますので事業計画としても見込が付けやすくなります。その見込を利益のベースとして企業のPLに据えることができるため全体の安定感が増します。これは企業経営の観点では非常に大きなメリットです。

さらに言うならば、特に元々利益の出ている企業、余剰資金の潤沢な企業にとっては、不動産取得のための借入比率を小さくできるので、利息支払いは軽くでき、不動産賃貸業での収益は上げやすくなります。言い換えると資金調達コストを抑えて投資が可能であるということ。本業と不動産賃貸業で相乗効果が得られるということですね。

2.損益通算・繰越控除
これは1.で述べた『安定化』と言うキーワードと重なるところもありますが、利益通算・繰越控除が使えることで利益を平準化でき、納税額を抑えることが可能になります。
ひと言で言うと「節税」ということになるのですが、如何に経費を多く使い利益を圧縮するか…ということではないので、あえて節税とは言いたくないなあという切り口です。

あらためて、「損益通算」「繰越控除」を説明いたしますと、
「損益通算」とは、複数の事業(ここでは企業の『本業』と『不動産賃貸業』ということになります。)を持つ場合に、それぞれの損益を通算できる、つまり課税対象額を各事業の利益額それぞれに課税する(分離課税)ではなく、損益を合算したものに課税するということ。これにより例えば不動産賃貸業による損益がプラス、本業による損益がマイナスの場合に、それらを合算することで課税対象額を削減でき納税額が小さくなるということです。これが分離課税であれば損益のマイナスの事業は課税対象額ゼロ、損益プラスの事業は納税が要となり、損益のマイナス額の大小によらず納税が必要と言いうことになります。

次に「繰越控除」についてですが、これは正式には「欠損金の繰越控除」であり、前年までの損金をその年度の損金額に算入されるということ。前年の事業収益を±0とし、損金を繰越すことで納税額は最少にすることができます。法人の場合は最大9年間繰越可能(個人は3年)です。「損益通算」は事業間での損益の通算、「繰越控除」は経年での損益の平準化が可能となるという理解をすればよいのかと思います。

ここで一つ重要なことは、『不動産賃貸業』での損益をマイナスにして全事業の利益を圧縮するという考えを持つべきではない、と私は考えます。本業で利益が出過ぎて節税したくて仕方がない場合はそれもアリなのかもしれませんが、敢えて「損を出す事業」を持つということに違和感があります。これは個人で不動産を持ち、さらにそれを拡大したいとお考えの方にも気を付けて頂きたいことでもあります。これはまた別の機会にどこかでお話することになると思います…。

3.賃貸経営を安定化させやすい
これは不動産賃貸業を本業と絡めて運営することが良い事業経営に繋がります。
例えば、本業が店舗を要する事業であった場合、テナントビルを所有し、その1つのテナントを自社で賃貸し、その他は対外的に賃貸する。または社宅を持ち、従業員に提供する。そうすることでその物件の経営は部分的、一括問わず自社で使うため安定的に賃料が入ります。自作自演の様な印象もあるかもしれませんが賃貸収入を自分のコントロール下に置けるということは安心材料にもなります。

またちがう観点として、テナント賃料や社員への住宅補助などの経費を自社内に落とすことになり、外に出ていくお金をトータルとして減らすことができます。全事業で利益を効率よく創る、そんなイメージですね。

長くなりましたがザックリとはこんなところです。

個人で持つ収益不動産の目的とは異なる切り口でのメリットがあったりもします。しかし収益不動産にはそんなフレキシブルなポテンシャルがあるのです。例え個人で収益不動産をお持ちであったとしても、発想次第でもっと様々なメリットを得ることができると私は思います。今回お話した内容が直接的には参考にならないかもしれませんが、思考を制限せず、いろいろな切り口でそれぞれの状況をさらにプラスにできる使い方をして頂ければと思います。


このページのトップへ戻る

メニュー