大家2年目の会

教科書

不動産大家業と収益構造 その2

前回の続きです。

前回は、不動産大家業の利益構造として、不動産の購入価格が(仕入)原価として考えられる費用にしてもよさそうですが、しかし一般的にはそう考えないのはなぜか?減価償却?…と言うところまでのお話しでした。

と言うわけで、では粗利=限界利益を考えるときに不動産の購入費用を原価として扱うとどうなるか…考えてみましょう。

例えば…

購入金額:10000万円(=1億円)

家賃収入:1000万円/年

とします。

利回りは10%…良い物件ですねぇ。しかし、上記の想定で購入費用を原価に算入すると、粗利は

粗利=売上-原価=1000-10000=-9000万円!

と、粗利の段階で大赤字になります。これは一つポイントがあって、上記は購入年度においてのみ成り立つ式で、翌年度以降は物件を仕入れる必要が無くなるので、売上=粗利となります。これでは事業としての評価も見えにくくなりますし、また違う観点からすると課税に関する評価も難しくなります。

そこで出番となるのが減価償却です。減価償却の考え方を導入することで購入費用を複数年に渡って分割して計上することができ、毎年の課税額も平準化されることになります。税が見えやすいという点で利点がありますが、経営として、特に長期間においての不動産の収益性を評価したいのであれば、逆に不動産の耐用年数期間全期に渡っての売上と原価=不動産購入金額の差を粗利と捉えて考えてみるのも面白いのかと思います。ただし、例えば新築のRC造であれば耐用年数が47年であり、そんな遠い未来までの売上に見込みを付けるのも意味があるのか…と言うことにもなってしまいますが。

不動産でも土地は減価償却しない…と言う点はここでは割愛しますが、これもあり結局減価償却で単年度の利益評価をするのがやりやすい…という結論に至ります。そして併せて、粗利を計算するのに「原価に原価償却も含めて考える」のが何となく不動産大家業・不動産投資の利益構造を評価するためには、とくに「粗利」という指標を無駄にしないためには良いのかもしれません。

(上記の想定は他に支障があることもあるでしょうし、思いつき程度のレベルです。実例での適用もこれから試してみたいと思います。何か良い点がありましたらまた改めてご報告させて頂きます。)


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